カメラのバッテリーを買い足すなら、最初に確かめたいのはカメラが指定する型番です。そのうえで、撮影できる量と充電方法を見て、交換用や予備を選びましょう。持ち時間だけでなく、使わない間の保管も大切です。
この記事では、取り外して交換できる充電式バッテリーを中心に説明します。具体例はニコンZ50IIなどですが、記載した型番・撮影枚数・USB充電の条件は、その対象機種のもの。お使いのカメラへそのまま当てはめず、選ぶときの見方として役立ててください。
- 対応型番と充電器を照合する選び方
- 撮影条件に合わせた持ち時間と予備の判断
- 機種ごとに異なるUSB充電・給電の条件
- 寿命・長期保管・異状への対応
カメラのバッテリーの選び方と予備の備え方
対応型番を確認する|バッテリーと充電器の違い

バッテリーは繰り返し充電して使う電池パックで、充電器はそのバッテリーを充電する機器です。たとえばニコンZ50IIで使うEN-EL25aはバッテリー、これを取り外して充電できる別売のMH-32はバッテリーチャージャー。予備の電池が欲しいときに、充電器だけを購入しないよう区別しましょう。
購入前は、カメラの正式な機種名から公式仕様表の「使用電池」や説明書へ進み、指定の型番を調べます。次に、バッテリー側の対応製品一覧と照合。この順番なら、カメラとバッテリーの両方から適合を確かめられます。型番の末尾まで読み、似た名前だけで判断しないことがポイントです。
具体的には、Z50IIの交換・予備用候補が、ニコンのLi-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL25aです。製品ページの対応カメラはZ50II、Z50、Z30、Zfc。同ページには、使用にあたりカメラのファームウェアを最新に更新する注意もあります。
対応機種名だけでなく、この条件まで含めて選びます。
Z50IIはEN-EL25も使用できますが、公式仕様ではEN-EL25aより撮影可能コマ数が少なくなるとされています。「使える型番」と「同じだけ撮れる型番」は別の確認事項です。また、EN-EL25aはニコン製品専用で、対応製品以外の充電器との組み合わせも避けてください。
純正品と互換品はメーカーの案内を基準に選ぶ
純正品と互換品で迷うなら、まずカメラメーカーが指定する純正品を候補にしましょう。ニコンZ50IIは、ニコン純正の専用アクセサリーとの組み合わせを想定して設計されています。非純正アクセサリーの使用に起因することが明らかな故障などでは、修理が保証の対象外となる案内もあります。
ここで、他社ブランドとして販売される非純正品と、メーカーのロゴなどを不正に表示する「模倣品」は分けて考えます。キヤノンは模倣品について、保護装置が一定の品質基準を満たしていない場合が多く、異常発熱・液漏れ・発火・破裂などの原因になるおそれを警告しています。
この警告を、すべての互換品の性能や寿命が同じだという説明に置き換えることはできません。一方で、「対応」と書かれているだけで、カメラメーカーが安全性や動作を保証しているともいえません。キヤノンは他社ブランド品を含む非純正品に起因する故障・事故について責任を負いかねると案内し、純正品を勧めています。
購入先を選ぶときも、商品写真のロゴだけで判断しないこと。キヤノンは単体販売する純正バッテリーのパッケージにセキュリティーラベルを設け、EN-EL25aにはニコン純正品を示すホログラムシールがあります。模倣品への注意は、各メーカーの公式案内を参照しましょう。
満充電で何枚撮れる?持ち時間は測定条件とセットで読む

バッテリーの持ちは、カメラの仕様表にある「撮影可能コマ数」や「動画撮影可能時間」が出発点です。ただし、一定条件で測定した目安であり、毎回その量を撮れる保証ではありません。Z50IIでも、同じ満充電のEN-EL25aを使って、表示方法や省電力設定によって次の違いがあります。
| Z50IIの表示方法 | パワーセーブON | パワーセーブOFF |
|---|---|---|
| ファインダーのみ | 約240枚 | 約220枚 |
| モニターのみ | 約250枚 | 約230枚 |
満充電のEN-EL25aを使用した静止画・1コマ撮影の値。CIPA規格準拠で、初期設定条件、30秒間隔の撮影、装着レンズNIKKOR Z DX 16–50mm f/3.5–6.3 VR、温度23±2℃、メモリーカードSanDisk SDSDXPK-032G-JNJIPという測定条件です。
実際の撮影では、操作内容も変わります。Z50IIの説明書は、半押しの継続、オートフォーカスの繰り返し、RAWを含む画質モード、低速シャッター、Bluetooth・Wi-Fiの使用などを消耗が早くなる例として挙げています。枚数だけで比べず、その日に使う機能まで考える必要があります。
動画は静止画の枚数と分けて見ます。Z50IIの動画撮影可能時間は、初期設定、同じ装着レンズなどによるCIPA規格の実撮影電池寿命で約55分。一方、1回の動画の最長記録時間は125分です。125分は満充電の電池で撮れる時間を示しておらず、内部温度の上昇で途中終了する場合もあります。
予備はいくつ必要?撮影内容と充電できる機会で考える
予備の必要数は、撮影枚数だけで一律には決められません。撮影時間、動画の割合、低温環境、途中で充電できるかを合わせて考えましょう。ニコンはZ50IIの撮影時に、充電された予備バッテリーを用意するよう案内しています。特に海外では、地域によって現地での入手が難しい場合があります。
予備を厚めに考えたいのは、長時間の動画や寒い場所での撮影など、消耗が増える条件の日です。ソニーのサイバーショット向け案内でも、ズームやフラッシュの多用、電源の入れっぱなし、画面の明るさを最大にする設定が消費の増える場面として挙げられています。
ふだんと撮り方が変わる日は、いつもの持ち時間をそのまま見込まないほうがよいでしょう。
モバイルバッテリーを持つ計画なら、カメラが対応する充電・給電の条件まで確認します。Z50IIには市販のモバイルバッテリーを使う方法がありますが、すべての製品・ケーブルでの動作保証はありません。USBでつなぐ計画だけで予備を省かず、対応が確かな方法を準備するのが基本です。
カメラのバッテリーの充電・寿命・保管と不調への対応
充電時間とUSB充電・給電の条件を確認する
充電時間は、電池と充電方法の組み合わせで見ます。Z50IIにEN-EL25aを入れ、付属USBケーブルと別売のACアダプターEH-8Pを使う場合、残量のない状態から満充電まで約1時間40分。別のカメラや電源でも同じ時間になる、という意味ではありません。
市販のUSB電源を使う場合は、端子の形に加えて、規格・出力・ケーブルを確認します。Z50IIの充電方法で案内される条件は次のとおりです。ACアダプターとモバイルバッテリーでは、出力の案内が「指定」と「推奨」で異なります。
| Z50IIにつなぐ電源 | 規格・出力の条件 | ケーブル |
|---|---|---|
| 市販のACアダプター | USB Type-C端子、USB PD規格準拠、15W(5V/3A)以上の出力に対応したものを使用 | 両端がType-C |
| 市販のモバイルバッテリー | USB Type-C端子、USB PD規格準拠。15W(5V/3A)以上の出力に対応したものを推奨 | 両端がType-C |
いずれも、すべての市販品・USBケーブルで充電や給電ができることを保証する案内ではありません。
「充電」はバッテリーに電力を蓄えること、「給電」はカメラに電力を供給して動作できる状態にすることです。Z50IIは給電にも電池の装着が必要で、給電中は電池を充電しません。電源OFF時は充電し、電源ONでも半押しタイマーがオフの間は充電するため、USB接続中の動作は電源と設定の状態によって変わります。
充電のたびに電池を使い切る必要があるかも、気になるところ。ソニーはサイバーショットについて、使い切らない状態でも充電でき、途中まで充電した分も使えると案内しています。一方、Z50IIでは充電完了後に続けて再充電すると性能が劣化するという注意があります。
出発前の準備と、満充電後の繰り返し充電は分けて考えましょう。
寿命と交換時期は使用時間の変化で判断する


交換時期は、購入からの年数だけで決めず、満充電後の使用時間の変化を見ます。ソニーのサイバーショット向け案内では、使用回数や時間の経過によって容量が少しずつ減り、説明書記載の使用時間の半分程度になったときが交換の目安。この目安を、他メーカーの全機種に共通する基準へ広げないことも大切です。
ニコンZ50IIは、十分に充電しても、室温での使用時間が極端に短くなった場合をバッテリーの寿命と案内しています。ポイントは「満充電」と「室温」の条件。寒い日に急に残量が減った、動画を多く撮った、といった変化だけで寿命と決めず、使用条件を分けて見ましょう。
低温による一時的な性能低下なら、常温へ戻ると使える場合があります。Z50IIの説明書では、寒い場所では満充電の電池を使い、保温した予備を用意するよう案内しています。ただし、電池を火や熱源で加熱する行為は避けてください。電池の加熱は、同機の安全上の注意で禁止されています。
電池の劣化状態を表示できる機種では、その情報も判断材料になります。キヤノンはMENUの「バッテリー情報」で劣化状態を簡易確認する方法を紹介しています。こうした表示は対応機種の機能なので、手元のカメラに同じメニューがあるとは限りません。使用時間の変化と、その機種で使える情報を合わせて判断します。
長期間使わないときは取り外して保管する
長期保管では、撮影直前の準備と扱いが変わります。Z50IIの説明書は、使わないときは電池をカメラから取り外すよう案内しています。装着したままだと、電源OFFでも微少電流が流れ、過放電で使えなくなるおそれがあるためです。取り外した電池は端子を保護し、暑い場所や極端に寒い場所を避けます。
| メーカーの案内 | 保管時の残量 | 充電を見直す目安 | 保管場所 |
|---|---|---|---|
| キヤノンの保管解説 | 30〜50% | 半年に1度を目安に30〜50%まで充電 | 冷暗所、15℃程度 |
| ニコンZ50IIの説明書 | 長期保管時はフル充電にしない | 少なくとも1年に1回、50%程度まで充電 | 乾燥した15〜25℃程度の場所を推奨 |
キヤノンは、数カ月以上使わない場合にカメラから抜き、保護カバーを付けて保管するよう案内しています。
保管時の充電間隔は資料によって異なるため、ひとつの周期を全機種共通のルールにせず、お使いの機種の説明書を優先します。キヤノンは、電池が自然放電で減っていくことと、0%のままカメラへ入れ続けることが劣化の原因になると説明しています。保管したらそのまま忘れず、残量を見直す機会を設けましょう。
次に撮影へ出かけるときは、保管用の残量から撮影用の充電へ切り替えます。Z50IIは撮影前の充電を案内し、ソニーもサイバーショットについて前日または直前の充電を勧めています。使わない間の残量管理と、撮る前の充電を分けておくと、長期保管と電池切れへの備えを両立できます。
充電できない・膨らんだときの確認と使用中止の判断


膨らみなどの変形、変色、そのほか異状がある電池は使わないでください。ニコンZ50IIの安全上の注意では、EN-EL25aが所定の時間を超えても充電完了しない場合は、充電を中止するよう案内しています。異状がある電池で充電テストを続けることは避けましょう。
異状が見られず充電できない場合は、その機種の説明書に沿って、対応する電池か、挿入方向や装着状態、充電ランプ、使用電源を順に確認します。ソニーの充電トラブルの案内では、端子の汚れや指紋を乾いた布で拭き取る方法も示しています。端子には手や金属物で触れない注意とセットで行ってください。
温度が原因になる場合もあります。ソニーの同案内では、長時間の動画撮影後で本体が高温の場合や、周囲が10〜30℃の範囲外では正常に充電できないことがあるとしています。一方、Z50IIが案内する室内の充電温度は5〜35℃。
温度条件はメーカー・機種ごとに読み、Z50IIでは使用直後の電池が熱ければ冷めるのを待って充電します。
ランプが消えたことだけで、必ず満充電と判断できるわけでもありません。Z50IIは高温などで充電エラーが起きると、チャージLEDが30秒間素早く点滅した後に消灯します。消灯後に電源をONにするなどして、十分に充電されたか確かめる案内があります。ランプの意味まで説明書で確認しましょう。
電池を分解したり、穴を開けたりして状態を確かめることは避けてください。ニコンは電池の分解や釘を刺す行為などを禁止しています。異状がある、充電条件を満たしても改善しないときは、メーカーのサポートへ相談する段階です。EN-EL25aの公式製品ページには、問い合わせや修理の窓口案内があります。
カメラのバッテリーの選び方と扱い方まとめ
この記事のまとめです。
- 購入前はカメラの使用電池と、バッテリー側の対応製品を照合する
- EN-EL25aはZ50IIなどの対応機種用。公式製品ページにはファームウェア更新の注意もある
- 純正品を候補に、非純正品に関する動作・保証の案内と模倣品への注意を確認する
- 撮影可能枚数は満充電・設定・温度などの測定条件とセットで読む
- 動画の最長記録時間と、バッテリーで撮影できる時間は区別する
- 予備は撮影内容や充電機会に合わせて用意し、持ち運び時は端子を保護する
- USB充電は端子・規格・出力・ケーブルを確認。Z50IIでは給電中に電池を充電しない
- 交換時期は満充電後の使用時間で判断し、低温による一時的な性能低下と分けて考える
- 長期保管は取り外して端子を保護し、残量と充電間隔は対象機種の説明書に従う
- 変形・変色などの異状がある電池は使用せず、充電不良は機種別の温度条件やランプ表示も確認する









