カメラの保管方法|湿度の目安と防湿庫・簡易ドライボックスの使い分け

カメラの保管方法|湿度の目安と防湿庫・簡易ドライボックスの使い分け

カメラの保管は、使った後に汚れや水分を取り除き、湿度を管理できる入れものに収納するのが基本です。ソニーが案内する湿度の目安は40〜50%前後。安定した湿度を保ちたいなら防湿庫、手軽に始めたいなら乾燥剤を入れる簡易ドライボックスが候補になります。

撮影から帰って、そのままバッグを置いて終わりにしていませんか。ホコリが内部に入ったり、湿気でレンズにカビが生えたりすると、簡単には取り除けません。まず保管場所と容器を決め、そのうえで撮影後の手入れを習慣にしましょう。長く使わないときのバッテリーは、機種による指示の違いにも注意が必要です。

この記事のポイント
  • 湿度40〜50%前後を目安にした保管環境
  • 防湿庫と簡易ドライボックスの使い分け
  • 収納前の清掃と雨・結露への対応
  • 機種の指示に合わせた長期保管とバッテリー管理
目次

カメラの保管方法は湿度・置き場所・容器から決める

湿度は40〜50%前後を目安に、湿度計で管理する

湿度は40〜50%前後を目安に、湿度計で管理する

自宅で保管環境を整えるときは、まず収納先の湿度を把握します。ソニーの保管ガイドは、カメラやレンズに最適な湿度を40〜50%前後と案内しています。湿度計が付いていないドライボックスには、湿度計を一緒に入れて管理する方法です。

湿気に気を配る理由は、レンズのカビを防ぐため。キヤノンの解説では、カビはレンズ表面のホコリやゴミなどと水分を利用し、時間をかけて発育するとされています。湿度だけを意識して汚れを残すのではなく、清掃と湿度管理を組み合わせることが大切です。

「乾燥剤を入れたから大丈夫」で終えず、容器の中が目安の湿度になっているかを見るところまでが保管の手入れです。簡易ドライボックスでは乾燥剤、湿度計が付属しない場合は湿度計も用意します。なお、40〜50%前後はソニーの案内による目安。手持ちの機材に個別の保管指定がある場合は、その条件に合わせてください。

バッグや押し入れに入れっぱなしにせず、保管場所を整える

カメラバッグを、そのまま自宅での定位置にするのは避けたいところです。ソニーは机や棚への置きっぱなし、押し入れやカメラバッグへの入れっぱなしに注意を促し、密閉できるカメラ専用のドライボックスでホコリや湿気を防ぐ方法を紹介しています。

帰宅後はバッグから出し、手入れをして保管用の容器へ移す流れにしましょう。

見えない場所に片づければよい、というわけでもありません。キヤノンは、引き出しや押し入れなど、湿った空気がたまりやすい場所での保管を避けるよう案内しています。また、ニコンD850の説明書では、風通しのよい乾燥した場所を選び、防虫剤のあるところには置かないよう求めています。

衣類と同じ感覚で収納場所を決めないことがポイントです。

置き場所では温度にも注意します。ソニーα7 III(ILCE-7M3)のヘルプガイドは、直射日光の当たる場所や熱器具の近く、異常な高温・低温・多湿になる場所を避けるよう案内しています。特に夏場の閉め切った車内は高温になり、変形や故障につながることがあります。

収納容器を選ぶ前に、置こうとしている場所がこうした条件に当てはまらないか見直しましょう。

防湿庫なしでも保管できる?簡易ドライボックスとの使い分け

防湿庫なしでも保管できる?簡易ドライボックスとの使い分け

防湿庫を用意しなくても、乾燥剤を入れた簡易ドライボックスで保管できます。ソニーが紹介する簡易タイプは、プラスチック製の密閉容器に乾燥剤を入れる方式。一方、防湿庫は密閉できるカメラ専用のキャビネットで、安定した湿度を保てることが特徴です。まずは、どの方法で湿度を管理したいかを考えます。

選択肢保管・湿度管理の特徴選ぶときの着眼点
防湿庫密閉できるキャビネットで、安定した湿度を保つ電子制御による湿度調整、鍵、予備コンセントなど、必要な機能があるか
簡易ドライボックスプラスチック製の密閉容器に乾燥剤を入れる機材が収まる高さ・幅・奥行き、乾燥剤や湿度計の付属の有無

手軽な保管から始めたい場合は簡易ドライボックス、安定した湿度を保ちながらコレクションも楽しみたい場合は防湿庫、という選び方ができます。防湿庫の鍵やコンセント、電子制御はタイプによって異なる機能です。防湿庫という名称だけで、すべて備わっているとは考えずに選びましょう。

サイズ選びは、保管したいカメラとレンズを実際に並べるところから。簡易ドライボックスには高さのあるもの、幅や奥行きのあるものがあるため、手持ちの機材に応じた形を選びます。ソニーも購入前に機材を並べ、どの程度のサイズが必要か確認する方法を勧めています。

容量の数字だけで決めず、収納する機材の形に目を向けてください。

乾燥剤は放置せず、交換と湿度確認を続ける

簡易ドライボックスは、容器だけでなく乾燥剤と組み合わせて使います。製品に乾燥剤が付属している場合もあるので、購入時に内容を見ておきましょう。湿度計も同様で、付いていなければ容器内に入れて管理します。保管を始める前に「容器・乾燥剤・湿度計」がそろっているかを確かめておくと、準備の抜けを防げます。

乾燥剤は、入れればずっと効くものではありません。ニコンD850の説明書では、乾燥剤のシリカゲルは湿気を吸うと効力がなくなるため、ときどき交換するよう案内しています。最初に入れた乾燥剤をそのまま忘れず、湿度を見ることと交換を、保管中の管理として続けましょう。

なお、D850の長期保管の案内には、カメラをポリエチレン袋などに乾燥剤と一緒に入れる方法もあります。ただし、皮ケースをビニール袋に入れると変質することがあるため、避けるよう明記されています。カメラ本体向けの保管方法を、ケースなどの付属品にそのまま当てはめないようにしましょう。

カメラの保管方法を撮影後から長期保管まで実践する

収納前はホコリを落とし、汚れや指紋を拭き取る

撮影後は、保管容器へ入れる前にお手入れをします。ソニーが案内する基本は、ブラシやブロアーでホコリを取り除き、クロスや柔らかい布で汚れ・指紋・油脂を拭き取ること。防湿庫を使う場合も、この収納前の清掃を省かないようにしましょう。

ただし、外装とレンズ面、カメラ内部を同じように拭くわけではありません。ニコンD850では、本体はブロアーでゴミやホコリを軽く吹き払ってから、乾いた柔らかい布で軽く拭く手順です。

ミラーやレンズに付いたホコリは、傷を付けないようブロアーで軽く吹き払う程度とし、レンズの指紋には、柔らかい清潔な布に少量の市販レンズクリーナーを湿らせて軽く拭く方法が示されています。

海辺で使った日は塩分も手入れの対象です。D850の本体については、真水を数滴たらした柔らかい清潔な布で塩分を拭き取り、その後、乾いた柔らかい布で軽く拭いて乾かすよう案内されています。これは本体外装のお手入れであり、カメラを水洗いする手順ではありません。

水分を使う清掃は、手持ちの機種の説明書に沿って行ってください。

保管前の清掃で、内部まで無理に触らないこと。D850の説明書は、シャッター幕を押す・突く・ブロアーで強く吹く行為を禁止しています。撮像素子のお手入れは別の手順として扱われており、外装の拭き掃除をそのまま内部へ広げないようにします。

レンズを外すかは、ボディキャップと後ろキャップの有無で判断する

レンズを外すかは、ボディキャップと後ろキャップの有無で判断する

レンズ交換式カメラでは、レンズを付けたまま保管してよいか迷うことがあります。ソニーの保管ガイドは、ボディキャップとレンズの後ろ側に付けるリアキャップがあるかどうかで、収納方法を分けています。

  • 両方のキャップがある場合:ボディからレンズを外し、ボディキャップとレンズリアキャップをそれぞれ装着して収納する
  • 両方のキャップがない場合:ボディにレンズを装着したまま収納する

「保管するときは必ずレンズを外す」とだけ覚えず、外した後にキャップを付けるところまでを一組の手順として考えましょう。ソニーはキャップがない場合の方法として、装着したままの収納も案内しています。

収納容器を選ぶ際も、レンズを付けたままにするのか、分けるのかを決めてから並べると、必要なスペースを具体的に確認できます。

雨で濡れた日は十分に乾燥させ、結露は解消してから使う

雨の日は、普段のホコリ取りの前に水分への対応が必要です。ソニーの雨の日の手入れ案内では、ボディとレンズ外側の水滴は乾いたタオルで、レンズのガラス面はレンズ専用のクリーニングシートで拭くとしています。その後、湿気のないところで十分に乾燥させます。

ストラップが濡れていたら、外してよく乾かすことも忘れずに。乾燥後にブラシやブロアーでホコリを取り除き、手入れが完了してから防湿庫やドライボックスへ収納します。ボディの水滴だけ拭いてすぐに片づけず、濡れたストラップも含めて乾かす流れです。

寒い屋外から暖かい室内へ移るときは、結露にも注意します。結露は、急な温度変化などによってカメラの内部や外部に水滴が付くこと。

α7 IIIのヘルプガイドでは、寒い場所から暖かい場所へ持ち込む際、カメラをビニール袋に入れて空気が入らないよう密閉し、約1時間置いて移動先の温度になじんでから取り出す方法が示されています。

すでに結露した場合、同機の案内は、電源を切って結露がなくなるまで約1時間放置し、なくなってから使用するというものです。約1時間という時間だけでなく、結露がなくなったことが再使用の条件。内部や外部に水滴が付いた状態で使うと故障の原因になるため、撮影や動作確認を急がないようにしましょう。

長期保管はバッテリーを外し、残量と点検間隔を機種に合わせる

長期保管はバッテリーを外し、残量と点検間隔を機種に合わせる

しばらく使わないカメラは、バッテリーを取り外して保管します。ニコンD850では、カメラやチャージャーに付けたままだと、電源が切れていても微少電流が流れ、過放電で使えなくなるおそれがあると説明されています。取り外す際はカメラの電源をOFFにし、外したバッテリーには端子カバーを付けます。

取り外した後は、端子の保護も必要です。ソニーの保管ガイドでは、接点の汚れやショートなどを防ぐため、バッテリーをポリ袋などに入れて金属から離して保管するよう求めています。キヤノンも、接点部の保護カバーには金属が触れてショートするのを防ぐ役割があると説明しています。

一方、残量をどの程度にして保管するかは、一律に決められません。キヤノンのバッテリー保管解説は30〜50%を目安とし、半年に1度を目安にその範囲まで充電するよう案内しています。

しかし、ニコンD850の説明書は、しばらく使わない場合にカメラで使い切ってから取り外し、長期保管では半年に1回程度充電した後、カメラで使い切って保管する指示です。

この違いがあるため、「すべて半分残す」「すべて使い切る」とは覚えず、手持ちのカメラ・バッテリーの説明書を優先してください。D850でカメラを使って使い切る指示を、残量がなくなっても電源を何度も入れ直す意味に受け取らないことも大切です。

同じ説明書は、その操作がバッテリーの寿命に影響を及ぼすおそれがあると注意しています。

本体も、長期間しまったままにしないようにします。D850の説明書は、月に一度を目安にバッテリーを入れてカメラを操作することを推奨。キヤノンのレンズのカビ対策では、定期的にズームリングなどを動かし、内部に滞留した空気を入れ替える方法が紹介されています。

バッテリーの充電管理と、本体やレンズを定期的に動かす手入れは、分けて考えましょう。

点検時、レンズにクモの巣状の曇りが見えたら、カビの可能性があります。キヤノンによると、カビがひどくなると写りにも影響し、内部のカビなどは分解クリーニングやレンズ交換が必要になる場合があります。

カビは放置しても自然には消えないため、保管環境を整えるだけで解決しようとせず、メーカーへ対処を相談してください。

カメラの保管方法のまとめ

この記事のまとめです。

  • ソニーの案内では湿度40〜50%前後が目安。湿度計のない容器には湿度計を入れて管理する
  • バッグへの入れっぱなしを避け、湿気がたまりやすい押し入れや高温になる場所を保管先にしない
  • 安定した湿度を保ちたいなら防湿庫、手軽に始めるなら乾燥剤入りの簡易ドライボックスが候補
  • 収納するカメラとレンズを並べてサイズを確かめ、乾燥剤や湿度計の付属も見る
  • シリカゲルは吸湿すると効力がなくなるため、入れたまま忘れず交換する
  • 収納前にホコリや汚れを落とし、外装・レンズ面・内部の清掃を混同しない
  • ソニーの案内では、ボディとレンズ後部のキャップがあれば外して装着し、なければレンズを付けたまま収納する
  • 雨の後は水滴を拭き、濡れたストラップも外して十分に乾燥させてから収納する
  • α7 IIIで結露した場合は電源を切って約1時間待ち、結露がなくなってから使う
  • 長期保管ではバッテリーを取り外して端子を保護し、保管残量と充電間隔は機種の説明書を優先する
  • 長期間使わないニコンD850は、月に一度を目安にバッテリーを入れて操作することが推奨されている。キヤノンのレンズのカビ対策では、定期的にズームリングなどを動かすよう案内されている。レンズのカビに気づいたら放置せず早めに対処し、キヤノンではカビ除去に対応するメンテナンスサービスも利用できる
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この記事を書いた人

カメラ・双眼鏡・撮影用品の選び方を、使う場面から整理。手持ちの機材との相性や、保管の準備も一緒に確認していきます。

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