カメラ2台を三脚1本に載せるには?プレートの選び方と取り付け条件

カメラ2台を三脚1本に載せるには?プレートの選び方と取り付け条件

カメラ2台は、2台用のプレートを使えば1本の三脚に取り付けられます。スリックの「プレートII」「プレートIII」が、そのためのアクセサリーです。2台をそれぞれ違う方向へ向けたい場合は、プレート上に雲台を取り付ける構成もあります。

選ぶ順序は、撮りたい構図、接続方法、重量条件。U1/4インチのネジで接続するならプレートII、U3/8インチの取付やアルカスイス互換形状も必要ならプレートIIIが比較候補になります。ただし、プレートIIIもすべての雲台との互換性を保証しているわけではありません。

まずは手持ちの機材で成立する条件から見ていきましょう。

この記事のポイント
  • 専用プレートでカメラ2台を三脚1本へ
  • 別々の構図に合わせた追加雲台の検討
  • カメラ側・三脚側それぞれのネジ適合
  • 各台の重量制限と重心バランスの確認
目次

カメラ2台を三脚1本に取り付ける方法と適合条件

1本の三脚に2台を載せる基本は専用プレート

1本の三脚に2台を載せる基本は専用プレート

基本の構成は、三脚の上に2台用プレートを取り付け、そのプレートに2台のカメラを固定する形です。プレートIIは三脚上にも雲台上にも取り付けられ、カメラ用のU1/4インチネジを2個備えています。2台分の取付位置を用意する役割を、1枚のプレートが担います。

ここで区別したいのが、プレートの下にある雲台と、プレートの上に追加する雲台です。プレートIIの公式販売ページでは、三脚のエレベーター上へ雲台を介さずに取り付ける方法と、プレート上に雲台を付けて2台を別々の方向へ向ける方法が案内されています。

単に2台を載せたいのか、それぞれの向きも変えたいのかで構成が分かれます。

プレートIIIの説明書にも、雲台が外せる三脚ではエレベーターの雲台取付ネジに取り付けられると記載されています。手持ちの三脚で雲台を外せるか分からない場合は、その構成を前提に買う前に三脚の仕様を照合しましょう。雲台上へ載せる構成と、雲台を外して載せる構成を分けて考えるのが出発点です。

構図を別々に変えるならプレート上に雲台を追加

2台を別々の方向へ向けたいなら、プレート上へ雲台を取り付ける構成を検討します。プレートIIの公式販売ページが案内するのも、この方法です。プレートにカメラを2台固定することと、それぞれの構図を調整できることは、分けて判断する必要があります。

横構図と縦構図を組み合わせる例もあります。ケンコー・トキナー掲載のプレートIIIレビューでは、片方に縦構図用の自由雲台を取り付け、2台のレンズの向きを調節して撮影しています。片方だけに雲台を追加する構成が実例として示されているので、追加雲台を必ず2個そろえる、と決める必要はありません。

反対に、2台とも個別に向きを変えたいなら、各カメラの下に何を取り付けるかまで具体化します。「横と縦を撮りたい」「望遠と広角を違う向きへ向けたい」など、先に役割を決めると、片側への追加でよいのか、両側に調整機構が必要なのかが見えてきます。

購入時には、プレート単体と撮影例の機材一式を取り違えないことも大切です。プレートIIIの公式販売ページには、写真はイメージであり、プレート以外の機材は付属しないと明記されています。追加する雲台は、対応ネジや搭載条件を別に確認する用品です。

カメラ側と三脚側のネジを分けて照合する

カメラ側と三脚側のネジを分けて照合する

取付ネジは、上側と下側を分けて見ます。上側はカメラ、または追加雲台をプレートに固定する接続。下側はプレートを三脚や雲台に固定する接続です。

同じ製品にU1/4とU3/8の両方が書かれていても、どちらの接続に使えるのかを読み分けましょう。

プレートIIは、カメラ取付ネジも三脚取付ネジもU1/4インチです。公式販売ページでは、一部の超望遠レンズや大中判カメラなど、U3/8ネジの機材を取り付ける場合は別売りの「ダブルネジアダプター」を使うと案内しています。

これは対象のカメラ機材側についての案内であり、三脚側の接続も無条件に変換できるという意味ではありません。

プレートIIIのカメラ取付ネジもU1/4インチです。一方、底面にはU1/4インチのメネジが7か所、U3/8インチのメネジが5か所あり、U3/8インチネジでの取付にも対応します。底面の対応が増えたことと、上側のカメラ取付ネジの規格が変わったことは同じではありません。

また、プレートIIIの底面はアルカスイス互換形状です。ただし、メーカーはすべての雲台との互換性を保証していません。手持ちの雲台やクランプの型番を基に適合を確かめる必要があります。「アルカ互換」という表示だけで判断を終えず、ネジ固定で使うのか、互換形状をクランプで固定するのかまで決めておきましょう。

耐荷重は1台分・2台分・三脚側の条件で判断

プレートIIの搭載機材の最大重量は「5kg以内(2.5kg×2)」、プレートIIIの最大搭載質量も「2.5kg×2台で5kg以内」です。合計5kgという数字だけで選ばず、1台分の条件も保持してください。片側へ重い機材を集中させてよい、という仕様にはなっていません。

重量を照合するときは、カメラ本体だけを機材の重さと考えないようにします。装着するレンズや、プレート上に追加する雲台も含め、実際に載せる構成を整理しましょう。三脚側の仕様を照合するためには、プレート自体の重さも把握します。

プレートIIは500g、プレートIIIは550gで、カメラ2台の重量だけを見ればよい構成ではありません。

プレートの上限を満たしても、手持ちの三脚に適合するとは限りません。プレートIIの製品ページでは、2台を載せるため、パイプ径28mm前後の「中型」以上の三脚で使うよう案内しています。この指定はプレートIIについてのものです。

プレートIIIにもそのまま共通する条件だとは扱わず、使用する三脚・雲台の仕様も照合します。

さらに、プレートIIIの説明書は、最大搭載質量以下でも重心位置によってバランスを取りにくい機材があると注意しています。重量制限を満たすことと、実際の配置でバランスが取れることの両方が必要です。「5kg以内だから設置状態を問わず大丈夫」とは判断しないでください。

カメラ2台用の三脚プレートを選び、撮影に使い分ける

プレートIIとプレートIIIを接続方法で比較

具体的な購入候補は、スリックのプレートIIとプレートIIIです。プレートIIIはプレートIIの発展型ですが、どちらも2台用で、各台と合計の搭載条件は同じ。新しい方なら重量制限も大きい、という選び方はできません。違いが大きいのは、三脚・雲台側への接続方法と本体寸法です。

比較項目スリック プレートIIスリック プレートIII
本体寸法長さ315×幅50×高さ20mm。ネジ部を除く長さ330×幅40×高さ22mm。幅はリング部、高さはネジ部を除く
本体重量500g550g
搭載条件5kg以内(2.5kg×2)2.5kg×2台で5kg以内
カメラ取付ネジU1/4インチ×2、ダブルナット式U1/4インチ
三脚・雲台側へのネジ接続U1/4インチ底面にU1/4メネジ7か所、U3/8メネジ5か所
底面のアルカスイス互換形状この表では選択理由に含めない対応。ただしすべての雲台との互換性は保証されない
カメラ固定の特徴ダブルナット式で固定大きな締め付けナットで固定

U1/4インチで接続し、プレートIIの指定する三脚条件にも合うなら、スリック プレートIIを比較候補にできます。ダブルナット式のカメラネジと、移動できる取付位置を備えた製品です。必要な機能がこの構成で足りるかを判断します。

U3/8インチのネジ接続や底面のアルカスイス互換形状を使いたい場合は、スリック プレートIIIが候補です。複数の底面ネジ穴も特徴。一方、プレートIIIの重量は修正済みの公式仕様で550gなので、軽量化を目的に選ぶ製品として扱うのは適切ではありません。

プレートの長さだけでなく間隔と重心を見る

プレートの長さだけでなく間隔と重心を見る

本体の長さは、2台のカメラを置いたときの操作性に関わる比較項目です。ただし、全長が分かるだけで、手持ちのカメラ2台が操作しやすく収まるとは断定できません。プレートIIの公式販売ページも、可動式のカメラネジを使い、機材を操作しやすい位置で固定するよう案内しています。

カメラ本体に加え、側面へ接続するケーブルも配置に含めて考えます。メーカー掲載のレビューでは、プレートIIIはプレートIIより長くなり、2台の干渉や、側面に接続するHDMIケーブル・レリーズへの配慮に触れています。

これはプレートIIIの設計を評価した実例で、あらゆるカメラとケーブルの組み合わせに余裕があるという保証ではありません。

左右の機材重量が異なる場合は、支持する位置も判断材料です。プレートIIは、望遠レンズ付きカメラと広角レンズ付きカメラのような組み合わせでもバランスを取れるよう、メインの三脚取付ネジ穴を完全な中央には設けていません。公式販売ページでは、機材の重さに応じて中心からの距離を変える使い方が説明されています。

プレートIIIには複数の底面ネジ穴があり、メーカー掲載レビューでも重量の異なる機材に対してバランスのよい位置を選ぶ使い方に触れています。説明書はアルカスイス互換部分を使う場合も、重量バランスを調整しながら取り付けるよう案内しています。

長さだけで選ばず、取付位置を調整できる範囲と、実際に載せる機材の配置まで見る必要があります。

プレートIIIの取り付けと使用中の注意

ここからはプレートIIIの説明書に沿った取り付け上の要点です。雲台へ取り付ける方法では、下面中央部の三脚取付ネジを使うよう案内されています。また、締め付けツマミのネジを利用して取り付ける場合は、プレートの長手側を脚の上へ向けると全体が安定すると説明されています。

この向きの案内は、説明書が指定する取付方法に結び付けて読んでください。

カメラや追加雲台の固定では、取り付ける機材をしっかり支えながらネジを合わせ、カメラネジツマミでしっかり締め込みます。説明書の図では、上側に機材を置き、プレート下側のカメラネジツマミを回す構造が示されています。機材の固定用ツマミと、プレート自体を三脚へ固定する部分を混同しないようにしましょう。

  • 使用前に、プレートと機材の取付具合、三脚・雲台各部の固定を確認する
  • 取り付ける機材のバランスが悪くならないようにする
  • 使用中は必ずそばに付き、離れない
  • 持ち運ぶ際は、プレートを必ず三脚や雲台から外す

メーカーは、不安定な状態での使用による機材の落下や三脚の転倒、機材の破損、使用者や周囲の人へのけがなどを警告しています。持ち運びの注意も、撮影時の固定とは別に示された禁止事項です。1本にまとめた構成だからといって、三脚へ取り付けたまま運ぶ前提にはしないでください。

写真と動画の併用、三脚1本と2本の使い分け

写真と動画の併用、三脚1本と2本の使い分け

2台を載せる目的には、横構図と縦構図、焦点距離の異なるレンズ、写真と動画の併用があります。プレートIIの公式販売ページはカメラとビデオの組み合わせを案内しており、メーカー掲載のプレートIIIレビューにも、横構図の写真と動画を組み合わせた撮影例があります。

同じ撮影機会を違う形で記録したいときの構成です。

ただし、プレートへ固定する話と、各カメラの撮影操作は分けて準備します。メーカー掲載レビューの望遠レンズと標準レンズを使う例では、各カメラのシャッターチャンスが少し異なり、それぞれに合うタイミングで操作することが勧められています。

2台を同時に載せられるからといって、常に同じタイミングで撮るのが目的に合うとは限りません。

三脚1本へまとめる利点として、同レビューは、長距離を歩く際の三脚2本の負担や、三脚を1本しか置けない撮影場所を挙げています。一方、移動が楽で撮影場所も広い場合は、三脚2本を使うこともあると説明しています。1本の構成をいつでも優先するのではなく、持ち運びと設置場所に応じた使い分けです。

2台用プレートは、1本の三脚を共有する構成です。2台を離れた位置へ置きたい、撮影する高さを別々に決めたいという目的なら、三脚2本を候補にするのが自然です。逆に、近い位置から違う構図や写真・動画を撮りたいなら、プレートと必要な雲台で成立するかを検討できます。

選ぶ前に「2台で何を違えて撮るのか」を決めておきましょう。構図が決まれば雲台の必要性が分かり、接続方法が決まればプレートIIとIIIを比較できます。そのうえで各台の重量、三脚側の条件、操作できる間隔を照合する。1本にまとめる構成が合うかどうかは、この順序で判断できます。

カメラ2台を三脚1本に載せる選び方のまとめ

この記事のまとめです。

  • カメラ2台は、2台用プレートを使って1本の三脚へ取り付けられます。
  • 2台を別々の方向へ向ける場合は、プレート上に雲台を追加する構成を検討します。
  • プレートIIIの公式販売ページでは、プレート以外の機材は付属しないと案内されています。
  • プレートIIはカメラ側・三脚側ともU1/4インチ。プレートIIIもカメラ側はU1/4ですが、底面にはU3/8メネジも備えます。
  • プレートIIIはアルカスイス互換形状ですが、すべての雲台との互換性は保証されていません。
  • 両製品の搭載条件は2.5kg×2台で5kg以内。合計だけでなく1台分の条件も守ります。
  • プレートIIにはパイプ径28mm前後の中型以上という三脚の指定があります。プレートの上限だけで三脚への適合を判断しません。
  • 本体重量はプレートIIが500g、IIIが550g。カメラとレンズ、追加雲台を含む構成を把握して三脚側の条件も照合します。
  • 全長だけでなく操作できる間隔と支持位置を確認。最大搭載質量以下でも重心によってバランスを取りにくい場合があります。
  • プレートIIIは使用前に各部の固定を確認し、使用中はそばを離れず、持ち運び時は三脚や雲台から外します。
  • 写真と動画の併用にも使えます。持ち運びや設置場所を重視するか、2台の位置・高さを別々に決めたいかで、三脚1本と2本を使い分けます。
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この記事を書いた人

カメラ・双眼鏡・撮影用品の選び方を、使う場面から整理。手持ちの機材との相性や、保管の準備も一緒に確認していきます。

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