カメラのファインダーとは?種類の違いと使い方、必要な場面を解説

カメラのファインダーとは?種類の違いと使い方、必要な場面を解説

カメラのファインダーは、のぞきながら構図を決めたり、ピントを確認したりするための部分です。日差しで背面モニターが見づらい場面や、カメラを体に近づけて安定させたい場面で役立ちます。

一方、可動式の背面モニターには、低い位置や高い位置から楽な姿勢で撮れる利点があります。ファインダーの有無だけで決めるより、普段どんな高さで構え、どんな明るさの場所で撮るかを考えると、必要性が見えてきます。

この記事のポイント
  • ファインダーの役割とOVF・EVFの違い
  • 撮影する高さや光に応じたモニターとの使い分け
  • 視野率・倍率・アイポイントの見方
  • 視度調整と表示切り換えの基本
目次

カメラのファインダーとは?種類と必要な場面

ファインダーは構図やピントを確認するための窓

ファインダーは構図やピントを確認するための窓

ファインダーで行う基本は、何をどの位置に写すかを決め、ピントの状態を確かめることです。カメラを向けた先を見るための窓ですが、中に見える像の作り方は一つではありません。光学的に被写体を見る方式もあれば、撮影用センサーがとらえた画像を小さな画面に表示する方式もあります。

のぞき窓を使う撮り方が「ファインダー撮影」、背面の液晶モニターを見ながら撮る方法が「ライブビュー撮影」です。どちらでも構図を確認できますが、カメラと顔の距離、見やすい撮影位置、周囲の光の影響が異なります。

そのため、背面モニターでライブビュー撮影ができるカメラなら、ファインダーを使わずに撮ることもできます。ファインダーが必要か迷ったときは、「撮れるか」だけでなく、「自分の撮る場面で、どちらが被写体を見やすく、構えやすいか」を基準にしましょう。

光学式のOVFと電子式のEVFは見える仕組みが違う

光学式ファインダーはOVF、電子ビューファインダーはEVFとも呼ばれます。一眼レフのOVFは、撮影レンズを通った像をミラーやプリズムで導いて見せる仕組み。EVFは、撮影用センサーがとらえた信号を画像へ変換し、ファインダー内の小型画面へ表示します。

比較する点光学式ファインダー(OVF)電子式ファインダー(EVF)
像の見せ方光学的に被写体を見るセンサーでとらえた画像を画面に表示する
明るさや色の見え方一眼レフでは肉眼で見る色や明るさに近い露出やホワイトバランスの変更を反映して確認できる。ただし表示設定による
像の表示に使う電力光学的な像の表示自体には使わない電力を使う
構造による注意点撮影レンズと別の窓を使う方式では視差が生じる場合がある撮影前の見え方が、常に仕上がり優先とは限らない

OVFの注意点は、構造を分けて考える必要があります。撮影レンズとファインダーが別にある方式では、近距離で見える範囲と実際に写る範囲がずれる場合があります。これが「パララックス(視差)」。

一方、撮影レンズを通して見る一眼レフのレフレックス方式にはこの視差がありませんが、撮影時にミラーが上がる瞬間は像が一時的に見えなくなります。

EVFの大きな利点は、設定変更による写り方を撮影前に確かめられることです。ただし、見え方を自然にする機能との関係には注意が必要。

例えばキヤノンのEOS R8には、静止画撮影時に光学ファインダーのような見え方を再現する「OVFビューアシスト」があり、これを「入」にすると「表示Simulation」は使用できません。仕上がりを見たいときと、被写体を自然な印象で見たいときでは、表示設定の目的も変わります。

日差しの強い屋外や動く被写体ではファインダーが便利

日差しの強い屋外や動く被写体ではファインダーが便利

ファインダーのありがたさを感じやすいのは、日差しで背面モニターが見づらくなる場面です。モニターには周囲の光が当たり、反射で像が見えにくくなることがあります。ファインダーは外からの光が入りにくいため、周囲の明るさの影響を受けにくいのが特徴です。

もう一つは構えの安定。顔から離してモニターを見るときに比べ、ファインダー撮影ではカメラが体に近くなります。両脇をしめ、左手でレンズを下から支える構えを取りやすく、手ブレを抑えやすくなります。ファインダーをのぞくだけでブレを防げるというより、安定した構えと組み合わせることが大切です。

動く被写体を追うときにも候補になります。パナソニックの解説では、ファインダーは視線との一体感があり、動く被写体を狙いやすいとされています。また、周囲の景色より被写体や構図に意識を向けたいときにも便利です。屋外での撮影や、目線の高さで被写体を追う撮影が多いなら、搭載機を検討する理由になります。

低い位置・高い位置から撮るなら背面モニターも活用

背面モニターの強みは、大きな画面を見ながら構図を決められること。さらに可動式なら、目線と違う高さでも画面を見やすい向きにできます。カメラを低く構える撮影や、持ち上げて撮る場面では、のぞき窓に目を合わせる必要がない撮り方が役立ちます。

撮りたい状況使い方の目安
日差しでモニターが反射するファインダーで被写体を確認する
目線の高さで動く被写体を追うファインダーを候補にする
カメラを低い位置に構える可動式モニターを上向きにして見る
カメラを高い位置に構える可動式モニターを下向きにして見る
大きな画面で構図を見たい背面モニターを使う

ただし、「可動式ならどの向きでも同じように使える」とは限りません。ニコンの解説では、バリアングル式モニターなら、カメラを縦に構えた状態でも低い位置や高い位置から撮れると紹介されています。縦位置で撮ることが多いなら、モニターがその姿勢でも見やすい向きに動くかが確認点です。

モニター撮影では、左手でカメラを下から支えるのが基本です。反射で見づらければ、モニターの角度を調整する方法もあります。ファインダーと背面モニターの両方があるカメラでは、撮影中ずっと一方を使う必要はありません。被写体の高さや光の向きに合わせて切り換えましょう。

カメラのファインダーの選び方と使い方

視野率・倍率・アイポイントで見やすさを確認

ファインダーの仕様で混同しやすいのが、「どこまで見えるか」と「どれくらい大きく見えるか」です。前者に関わるのが視野率、後者がファインダー倍率。さらに、眼鏡をかけて使う場合はアイポイントにも目を向けたいところです。

項目意味選ぶときの着眼点
視野率実際に写る範囲を、ファインダーでどこまで確認できるかを示す割合画面の端まで構図を決めたいときに注目する
ファインダー倍率肉眼で見る被写体と、ファインダー内で見る被写体の大きさの比倍率の数値と測定条件を併せて見る
アイポイント視野全体を見渡せる眼の位置に関わる仕様。一般に接眼部からの距離で表す眼鏡をかけた状態でも四隅を見渡せるかを確かめる

視野率が100%なら、写る範囲全体をファインダーで確認できます。一方、倍率は像の大きさの話なので、倍率が高いことと視野率が高いことは別です。パナソニックの用語解説では、倍率の測定条件として50mmレンズの装着が示されています。

仕様表を比較するときは、数値だけを拾わず、併記された条件や注記まで読むのが基本です。

アイポイントは、目をどの位置に置けば周囲が暗く欠けずに見渡せるかに関係します。カメラのキタムラの解説では、表記の基準はメーカーによって異なるとされています。眼鏡では目と接眼部の間に距離ができるため、数字の大小に加え、普段の眼鏡をかけた状態で画面の四隅まで無理なく見えるかを確かめましょう。

例えばEOS R8の公式説明には、眼鏡をかけたままでものぞきやすい約22mmのアイポイントが案内されています。ただし、この数値を全機種共通の合格ラインにする必要はありません。視野率や像の大きさ、眼の位置を一緒に見て、自分の構えで端まで確認できるかを判断するのがよいでしょう。

見やすいほうの目でまっすぐのぞき、両脇をしめる

見やすいほうの目でまっすぐのぞき、両脇をしめる

ファインダーをのぞく目は、右でも左でも構いません。ニコンの撮影解説でも、見やすいほうの目でまっすぐのぞく方法が紹介されています。まずは像の見やすさを優先し、顔を斜めにして無理に合わせるより、ファインダーに対してまっすぐ見ることを意識します。

横位置の基本は、右手でカメラ右側を握り、人差し指をシャッターボタンへ。左手はレンズの下に添えて支えます。そのうえで両脇をしめ、脚を軽く開くと、カメラを安定させやすくなります。腕だけで持ち上げた状態にならないよう、下から支える左手も使いましょう。

縦位置では、右手を上にする構えと下にする構えがあります。右手を上にすると横位置から切り換えやすい一方、脇が開きすぎないように注意が必要です。右手を下にすると脇が自然にしまり、安定させやすくなります。両方を試し、操作しやすさと安定する姿勢で選んでください。

反対側の目を閉じるか、両目を開けるかも、一律に決める必要はありません。片目でのぞくとファインダー内に集中しやすく、両目を開けると、もう片方の目で周囲の状況も見られます。ニコンの解説では、周囲を見ながら撮りたいときにライブビュー撮影を使う方法も示されています。

ぼやけるときはAFフレームや数値を見て視度調整

ファインダー全体がぼやけるときは、撮影者の視力に見え方が合っていない可能性があります。これを合わせるのが「視度調整」です。キヤノンは、ピントが合う音が鳴っているのに像がぼやける場合や、被写体や数値がよく見えない場合の対処として紹介しています。ただし、視度調整に対応していない機種もあります。

  1. ファインダー付近の視度調整つまみ・ダイヤルを確認します。
  2. ファインダーをのぞきながら、つまみを回します。機種によってはノブを引き出してから回す方式です。
  3. 被写体だけを目印にせず、表示されるAFフレームや数値がくっきり見える位置に合わせます。

ここで合わせているのは、自分の目でファインダーを見るための状態です。被写体へのピント合わせと区別するためにも、AFフレームや数値を見るのがポイント。被写体の像だけを基準にすると、視度が合っていないのか、被写体にピントが合っていないのかを判断しにくくなります。

調整してもはっきりしないときは、ファインダー表面の指紋やゴミも確認点です。キヤノンの案内では、表面が汚れている場合、ブロアーでゴミを飛ばした後、綿棒などでやさしく拭く方法が紹介されています。

つまみやアイカップの扱いは機種によるため、操作や取り外しに迷う場合は、その機種の使用説明書に沿って進めましょう。

表示されないときは切り換え設定とアイセンサーを確認

表示されないときは切り換え設定とアイセンサーを確認

電子式ファインダーに像が出ないときは、まず表示先の設定を見ます。機種によっては「ファインダーのみ」「モニターのみ」「自動切り換え」を選べます。モニターだけを表示する設定なら、ファインダーが消灯するのは設定どおりの動作です。ぼやける症状とは分けて考えましょう。

例えば、ソニーのILCE-7M4ヘルプガイドでは、MENUの「セットアップ」から「ファインダー/モニター」→「ファインダー/モニター選択」と進みます。「オート」は接眼時に自動で切り換え、「ファインダー(マニュアル)」はファインダーのみ、「モニター(マニュアル)」はモニターのみの表示です。

この操作名やメニューの場所を、別機種にもそのまま当てはめないようにします。

自動切り換えにしているのにモニターが消える場合は、アイセンサーへの接近も確認します。ソニーのILCE-6500を例にした公式案内では、ストラップや衣服、縦位置撮影時の左手にセンサーが反応することが挙げられています。また、センサーの汚れで接眼中と同じように反応し、モニターへ戻らなくなる場合もあります。

反対に、目を近づけてもファインダーへ切り換わらない場合もあります。ILCE-7M4の説明では、モニターの開閉や角度によって接眼を検知しないことや、強い光の下で検知できないことが注意点として示されています。後者では、アイセンサーに光が当たらないようにする案内があります。

「オートなら必ず切り換わる」と思い込まず、使っている機種の例外条件まで見ておくと対処できます。

カメラのファインダーの役割と使い方のまとめ

この記事のまとめです。

  • ファインダーは、構図を決めたりピントを確認したりするための部分です。
  • OVFは光学的に像を見せ、EVFは撮影用センサーでとらえた画像を画面に表示します。
  • 撮影レンズと別の窓を使うOVFでは、近距離で視差が生じる場合があります。
  • EVFは設定による写り方を確認できますが、自然な見え方を優先する機能との併用条件は機種によって異なります。
  • 日差しでモニターが見づらいときや、目線の高さで動く被写体を追うときは、ファインダーが役立ちます。
  • 低い位置や高い位置から撮るときは可動式モニターが便利。縦位置でも使いやすい可動範囲かが確認点です。
  • 視野率は確認できる範囲、倍率は像の大きさ。眼鏡ではアイポイントと四隅の見え方も確かめます。
  • 見やすいほうの目でまっすぐのぞき、左手でレンズを支えて両脇をしめるのが基本です。
  • ぼやけるときは、対応機種でAFフレームや数値が鮮明になるよう視度を調整します。
  • 表示されないときは表示先の設定を確認。自動切り換えでは、アイセンサーへの接近や汚れ、機種ごとの検知条件も関係します。
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この記事を書いた人

カメラ・双眼鏡・撮影用品の選び方を、使う場面から整理。手持ちの機材との相性や、保管の準備も一緒に確認していきます。

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